3rd COMMUNICATION

第3回 会議テーマ「『女性目線の経営学』〜女性が経営を論ずると〜」

2009年10月16日 札幌パークホテル

<開催レポート>

第3回は「女性目線の経営学」をテーマに、株式会社大丸札幌店店長の、柚木和代氏に基調講演いただき、その後、夕食会、グループミーティングを実施しました。

●基調講演

柚木和代氏講師の柚木氏は、昨年3月兵庫県芦屋の店長から札幌店長へと赴任されました。様々な業種の経営者が今後の指針を模索する中、大丸札幌店は、札幌の百貨店業界の中で着実に根を張り消費者の信頼を得ています。そんな柚木氏より女性の目線からの経営学をご自身の経験を通してお話いただきました。

雇用されている従業員、取引先から出向で働くスタッフなど、9割は女性であるのに対し、女性の店長は非常に少ないという現状、その理由に百貨店の店長という仕事の勤務状況が過酷であることがあげられる、というお話から講演はスタートしました。

美大のデザイン学科出身という、ちょっと変わった経歴を持つ柚木氏が、百貨店業界への就職を決めたのは、広告に力をいれている業界だから、という理由で。美術展の企画などの業務を経て、マーケティング、アカウンティング(財務管理)の勉強をされ、マネジメント業務に携わるようになったということです。

1つの売り場のリニューアルに莫大なお金が動く百貨店の経営は、非常にリスキーなもの。購買層の予測をし、綿密な戦略を考える。その戦略通りの結果を出すことができたときの達成感が、仕事の最大の魅力であり、やりがいだそうです。

信頼できる上司からの「お金の苦労をしてほしい。(お金のありがたみを忘れないで欲しい)」といった貴重なアドバイスや、芦屋店勤務時代に得た企業のトップの方との人脈が、そのマネジメント力のベースになっているようです。

優秀な女性が、結婚や出産を機に仕事を中断しなければならないのは残念、とのお話の中で、職場結婚が決まった部下の男性の報告に、「産休は、彼女がとるしかないけれど、育児休暇は、あなたがとりなさい。」とおっしゃったというエピソードが印象に残りました。「会社は、誰かが変えてくれるのではなく、ひとりひとりの社員が変えていくもの」という言葉にもとても説得力がありました。

関西出身の方ならではのユーモアをまじえたテンポのよいお話に引き込まれ、あっというまに講演の終了を迎えました。

●夕食会

きのこなど季節の素材を使ったフルコースディナーを楽しみました。おいしいものを食べながらリラックスした雰囲気で、各テーブルで自己紹介や近況など会話も弾みます。

写真:フルコースディナー

●グループミーティング

今回のグループミーティングは6グループの少人数にわかれて、全員が参加するエレベーター・スピーチ形式で行われ、最後に各グループから1名ずつ、全体発表を行いました。全体発表は、「Youtubeの社長にエレベーターで会ったら…」などユニークな設定もあり、短くても説得力のある発表になりました。

日頃から問題点ややってみたいことを意識しておくことの大切さ、それを短い時間に簡潔に確実に伝えることの難しさを感じ、大変勉強になりました。

※エレベーター・スピーチ形式
経営の神様と言われるアメリカGE社ジャック・ウエルチが提唱
(詳しくは以下よりプログラムをご覧ください。)

≫第3回のプログラムはこちら(PDF)